<カウンセリングで出来ること>
 
カウンセリングの狙い
悩みについて誰かに相談したいと感じるときは、悩みを解決する方法を得たいと思ったり、辛い状況を少しでも軽くしたいと思うときです。
 
カウンセリングに来られる方も「悩みを解く方法や鍵」を求めています。しかしながら、そこにこそカウンセリングの難しさと意義があります。
 
たとえばあなたが友人に「バケツに穴が開いたので困っている」と相談されたとします。普通ならば「テープでも貼って穴をふさいだらいいよ」と返答することでしょう。それで問題は解消する筈です。
 
しかしカウンセリングでは、その応対は通用しません。なぜなら相談者が必要とする「解」は、自分自身で発見することに大きな意味があるからです。
 
たとえば「バケツの穴」関する「解」は幾通りもありえます。
 
・そうだ穴の手前まで水を汲もう!
・決めた!前から欲しかった赤いバケツを買うよ!
・そうだ、修理を理由に彼に会いにいくわ!
・もっと沢山穴を空けたらアレに使えるじゃない!
 
このように幾通りもありえる「解」においてどのような「解」をひらめくかが大事なのです。
 
つまり「バケツの穴」は友人の悩みである一方、その解を発見することが、友人の「新たな可能性」を発現させるチャンスとなりえるからです。
 
しかしながら、友人の中にどの様な可能性が潜んでいるかは、私達が知ることはできません。それは「本人自身のひらめき」と共に出現してくるものだからです。
 
カウンセリングの狙いはまさにそこにあります。「解」となる「ひらめき」が相談者自身の中から出現してくるように導いていくという狙いです。 



ひらめきはどのように現れるのか?
ひらめきは
「具体的な何か」を
「具体的にこうしたい」と思いはじめたときに、
それを実現させるアイデアとして現れます。
 
たとえば
「この割ってしまった茶碗」を
「なんとかもう一度蘇らせたい」と思うからこそ
「そうだ金を使って継いでみよう!」というアイデアが湧き上がってきます。金継ぎという技法は、まさにこのような「具体的な思い」から生れた画期的なひらめきであったことでしょう。
 
このようなひらめきを導く上で一番難しいところは、
「一体何を」
「具体的にどうしたいのか」を、
定められる所まで相談者をサポートする所です。
 
たとえば相談者は、初めのうちは心が乱れていて「とにかく分からない!」とか「自分には出来ない」などを繰り返し訴えます。「一体何を」「具体的にどうしたいか?」に辿りつくには、しばらくの時間が必要です。


<具体的な思いに辿り着くまでの流れ>
 
まずは気持ちを落ち着かせ、感情に気づく
実際のカウンセリングは、相談者が自分の感情や気持ちに、落ち着いて向き合っていくことを促すことから始めます。お話を聞きながら、
 
 何が起きているのか?
 それについてどのように感じているのか?
 なぜそう感じるのか?
 そのときあなたはどうしたかったのか?
 
ということを一つ一つ確認していきます。
 
会社をやめたいと息まいて相談に来られた方が、「ほんとうは自分の気持ちが理解されなくて悔しかった事」や、それに関して「自分も努力が足りなかったかもしれない」と気づいていくようなことが、この段階では起こってきます。


 
 
 
 
 
 

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