<3つの視点で悩みを検証する>
感情が落ち着きはじめたら、悩みを3つの視点から見直していきます。
多くの場合、悩みには図のような関係性が存在しています。
(1)悩みの対象への理解を深める
悩みの対象となるものは、上司や友人や家族となる場合もあれば、自分自身の性質や将来の夢という場合もあります。
この「悩みの対象」について考えてみましょう。
たとえばの話ですが、新種の動物の保護を任されたとします。この場合、餌を食べてくれないことに悩む人がいても、その動物に怒りをぶつける人はまずおりません。大抵はその動物の特性を調べあげて、それが好む餌を発見するまで全力を尽くすはずです。
ところが人間関係ではどうでしょう。多くの人が対象となる相手を本気で知ろうとはしていません。自分の考えで決めつけたり、勝手にこうあるべきだと思い込んだりします。その上で、自分が思った通りにならないストレスを相手にぶつけてしまうのです。
ですからもし対人関係で悩みを感じているなら、「相手」の特性や「相手」がなぜそう振る舞うかなどを、相手の立場に立って深く理解していくことが大切です。このことが十分に行われるほど「対象に対する自分の向き合い方」が改善しやすくなるからです。
(2)自分の心情に気づく
「対象の特性や事情」を理解した上で尚、それでもやっぱり「許せない」とか「怖くてたまらない」という感覚が持続することは珍しくありません。
「そのことを許すべきでない理由」や
「そのことを怖れなければならない理由」などが
自分の心の中に根付いているからです。
むしろ、自分の中にそのような理由が存在しているからこそ、「対象」に問題があるように感じてしまうのかもしれません。
いずれにしても、自分の中に理由があるということに気づき、そのことを受け止めることが大切です。受け止めるというのは、認めるということです。「自分の中の理由」に気づくことができれば、その理由に「どう向き合うか?」を考えられるようになるからです。
アクラでは「自分の中にある理由」に向き合う方法の一つとして、イメージ描画法という心理技法も用意しております。 この技法については後程詳しく解説いたします。
(3)対象に対する自分の向き合い方を点検する
・対処となる相手にどのような態度で向き合うか?
・自分自身の性質や夢に対しどのような態度で臨むか?
方法ではなく「心の態度」を熟慮することが大事です。
浅い理解のまま、感情に任せた態度でいるか?
一番自分が大事にしたいものは何か?
そのような点検をして「心の態度」を選択しましょう。
そうすれば、心の忍耐力も高まり、またどう動くべきかの具体案も自然と構築されてきます。
プロセスの図式化
アクラのカウンセリングでは、カウンセリングで話されることを図式化します。相談者が客観的に自分を見つめることができるようにサポートしております。